実験室 Vol.9
最新型の炊飯器で炊いたご飯の味

RCK-5CX
東芝
購入価格:1万円ぐらい
実験室に初登場の白モノ家電です(実物はグレーですけど)。
このページをご覧になる方はやはり機械モノがお好きでしょう。僕も電気屋さんで買うモノといえば、コンピュータ関係のパーツや周辺機器が多いのですが、QOL(quality
of life)の向上という点から見ると、この半年で買った中ではこの炊飯器がもっともポイントが高いと言えそうです。確かにハードディスクの容量が20GBに増えるのは快適ですが、炊飯器などの白モノ家電は生活の豊かさに直結します(生活の豊かさについては番外編を参照してください)。
10年間で炊飯器は長足の進歩を遂げた?
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| これまで10年間お世話になってきた炊飯器。まんまるなところが好評です。ついでに「炊飯」「保温」の2つしかボタンがないというシンプルなプロダクトデザインがいい! |
新しい炊飯器を買ったのは、これまで10年にわたり使い続けてきた炊飯器がへたってきたため。内釜の塗装がはがれたり、蒸気口のゴムが劣化したり、まあ使えなくはないんですが、そろそろ買い換えてもいいんではないかなと。
これまで使ってきたのは、松下製のごく単純な炊飯器。ご飯を炊くときにコンセントを差し込み、炊飯ボタンを押すだけというもの。見どころがあるとすれば、まんまるのデザインぐらいでしょうか。
これに比べ、新しい炊飯器は豪華仕様です。まず、デジタル時計が内蔵され、予約タイマーも付いている! これは便利ですね。夜に米をといでセットしておけば、翌朝に起きたときは炊き立てのご飯が食べられる。これだけでも買い換えた価値ありです(今どきこんなので感動するやつがいるか?)。
いやいや、僕の小さい頃は、炊飯器といえばガスを使っていて、炊き上がったご飯を別の電気保温釜に移すなんてことをやってたから。いわゆる電気炊飯器に変わったのって、僕が高校生のころだったと思う。
ついでに追加すると、僕が韓国に留学していた92年、下宿先では圧力鍋を使ってご飯を炊いてましたね(韓国の下宿屋はまかない付きが原則です)。おばちゃんに炊飯器を使わないのかと聞いたら、「圧力鍋の方が早いし、おいしく炊ける」とのこと。でも、「日本製の炊飯器はおいしく炊けるらしいから、いちど試してみたい」とも言ってました(これは、どうも後述のIH炊飯器を指していたようです)。
3合の米が25分で炊き上がる? 歴史が始まって以来の快挙だ!
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| 「白米」「やわらかめ」「おかゆ」「早炊き」の4つのモードがある。メニューボタンを押すだけですぐに切り替えられる。 |
炊飯器の話に戻ると、何より感動したのはタイマー予約ではなく、炊き上がるまでの時間が短くてすむこと。マニュアルによると「炊飯前にお米を水に浸しておく必要はありません。お米を洗ったあとすぐに炊飯できます」とのこと。
ふつう、米をといだあと、最低でも30分、できれば2時間くらいは水に浸しておくのが常識でしょう。そうしないと芯の残ったご飯になってしまう。また、十分にむらしの時間をとらないと、芯があるだけじゃなくベチャベチャのご飯になってしまう。これが米の飯のやっかいなところで、食べたいときにすぐ食べることができない。「おなかがすいたからご飯を炊こう」と思っても、実際に食べられるのは約1時間半後になります。
それが最新式炊飯器のマニュアルでは、3合の米でも約46分で炊き上がり、早炊きモードを使えば最短25分で炊き上がる、なんて書いてあります。米をといで25分でアツアツのご飯が食べられる。これは米食民族の日本人としては革命的な出来事です。弥生時代から数千年にわたって日本人は米を食してきましたが、25分で炊飯できるというのは歴史上初の出来事でしょう(僕が知らなかっただけという話もある)。
25分でもそこそこおいしいご飯の出来上がり
で、試してみました。またストップウォッチの登場です。
僕は炊き立てのご飯しか食べない主義なので、1回1合しか炊きません(つまり、いっぺんに1合を食べるということです)。ですから、テストも1合で行きます。
最初は通常モードで炊いてみます。スイッチオンで20分ぐらいたつとブクグク言い始め、33分で蒸らしに入ります。ピーピーというブザー音で炊き上がりとなったのは46分。計ったようにぴったりマニュアル通りです。
問題は味ですね。米をといでからすぐに炊き始めたので、芯が残っていないかが気になります。でも食べてみるとまさに「ふっくら炊き立て」の言葉がぴったり。前の炊飯器で1時間以上水に浸してから炊いたのよりも、はっきりいって出来がいいです。
まあ、もともと1合という少ない量を炊きあげるのは難しいと思います。前の炊飯器でも3合いっぱんに炊くとそれなりなのですが、1合以下で炊くとベチャつきぎみになってた。でも、最新式なら1合でもいけます。この炊飯器のウリのひとつが、「おちゃわん一杯からきちんと炊ける」ということで、0.5合でも大丈夫だそうです。僕の胃の体積からして0.5合という分量を試す機会はないのですが、たぶんそれなりの出来になるでしょう。
次に早炊きモードに挑戦です。ブクブク言い始めるのはちょっと早くて15分過ぎから。蒸らしにはいるのが20分ごろで、炊きあがりは30分です。マニュアルの25分よりはちょっと長かった。それでも30分というのは驚異的な早さです。宅配ピザよりも早い!
で、味です。芯が残るというほどではありませんが、ふっくら感にかけ、ややべとつきぎみです。前の炊飯器で、十分に水に浸さないまま炊き始めたという感じですね。やはり30分では無理があるような気が。
いろいろ試した結果ですが、水に5分だけ浸し、蒸らしを5分だけ追加すると、ふっくら感が増します。でも、これなら最初から通常モードを使った方がいいという話もあります。
ちなみにテストをしたのは7月です。暑いです。水温が高いです。だから早く炊けるんです。おそくらく真冬にテストすると、もう少し時間がかかることでしょう。
早炊きの秘密は内釜にある?
何で早く炊けるのか? それは最近流行のIH方式だから。従来型の炊飯器が内釜の底部に電気ヒーターを置き、下から加熱していますが、IH方式では電磁誘導を使い、内釜全体を加熱します。電磁調理器と同じ仕組みですね。
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| 最新型の内釜(左)と従来型の内釜(右)。厚みが違うだけでなく、最新型は微妙な丸みをもたせている。この丸みにより理想的な対流を作り出している(らしい)。 |
また、内釜に厚みを持たせることで、一気に加熱することができます。僕が前から使っている炊飯器は内釜がペラペラだから、熱の伝わり方にムラができてしまう。米をとぐときに内釜の重さが全然違うので驚きます(もちろん最新型がすごく重い)。この重さは「これだけ重い内釜なんだから、きっとおいしく炊けるんだろう」という安心感にもつながります。
細かいところで感心したのは、内釜でそのまま米をとげるんです。一昔前の内釜は、中で米をとぐと焦げ付き防止の塗装がはげるため、別の器で米をとがなくちゃいけないという手間がありました(それを無視すると、僕の内釜のようにボロボロになります)。
気になったのは、内釜の中で水位を確認する目盛りです。片側にしか付いてないので、水加減を確認するためにはどこか水平な場所に置く必要があるのです。僕が前に使っていた炊飯器は、両側に目盛りが付いていたので、手に持ったままで水加減を見ることができました。できれば、両側に目盛りをつけるか、水位を示す線をぐるっと一周させて欲しいところです。
お米は日本人の心です
でも、家電のマニュアルって懇切丁寧ですね。パソコンのマニュアルはある程度の知識があることが前提となっているので基本的なことは省かれていますが、家電のマニュアルは最初に「差込みプラグをコンセントに差し込む」から始まっている。最近のパソコンでも大手メーカーの初心者向けモデルなら「キーボードやマウスをつなぎましょう」から始まるので同じかな?
驚かされるのは、最後の「故障かな? と思ったときは」のチェックリスト。「ご飯のにおいが強い」「ご飯が黄ばんでいる」の原因として、「米を洗いましたか?」という質問があります。「米を洗う」という言葉づかいにも驚くけれど、米をとがないまま炊こうとする人がいるのか? まあ、僕の友達の中にも、米をとぐ必要があることは認識していても、実際には水の中でかきまわすだけというのがいたからなあ。反対に力をこめすぎて、米粒をぜんぶ割ってるやつもいたし。
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| 左が僕の常用するおちゃわん、右が一般的なおちゃわん。左のおちゃわんには1合のご飯がぴったり収まる。もう一回り大きくなると、呼び名がどんぶりに変わる。 |
あと、「合」という単位も知らない人が増えているのか? マニュアルでは全部「カップ」で統一されています。知らないおネエちゃんのために付け加えると「1合=1カップ」と認識してかまいません。10合で1升ですと言えば分かりやすいか(かえって分からなくなる?)。
かくいう僕も最近までは「合」という単位を誤解していて、「1合=おちゃわん1杯」だと思っていました。一般的には「1合=おちゃわん2杯」だったんですね。どうも僕が使っているおちゃわんは人が使っているおちゃわんよりもサイズが大きかったようです(笑)。
7月19日追加
このページをアップしてから、いろんな人に炊飯器の話をしたのですが、自分で料理をする人にとっては早炊きモードで30分以内に炊き上がるというのは常識みたいですね。どうも僕だけが時代から取り残されていたようです。まあ、言いたかったのは最初の段落につきるので、細かいところはどっちでもいいんですが。パソコンよりも家電に投資した方が生活の質は向上します(笑)。

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