実験室 Vol.6

USBイーサネットアダプターの実力



NET-USB-E45(製品情報)
Entrega Technologies
購入価格:3,880円

 ネットワークアダプターといえば、PCIバスかPCカードスロットにセットするのが定石ですが、最近はUSBポートにつなぐアダプターをちらほら見かけます。確かにUSBは最大12Mbpsのデータ転送能力を持っているから、10Mbpsのイーサネット(10Base-T)なら十分な速度を実現できるはず。でも、あくまで理論上の話であって、実際にどれだけのパフォーマンスが出るかは別の問題。僕自身も興味はありながら、購入には踏み切れないでいました。
 ところが先日、秋葉原のTWOTOP1号店の特価品コーナーで3,880円のUSBイーサネットアダプターを発見。Entrega Technologies社の「NET-USB-E45」という製品です。さっそく購入し、パフォーマンスを測定してみました。

インストールは超簡単

コントロールパネルのネットワーク。Coregaで始まるのはPCカード、Entregaで始まるのが今回のUSBアダプター。
 インストールは驚くほど簡単です。アダプターをUSBポートに接続するだけで、アダプターが自動認識され、フロッピーからデバイスドライバーがコピーされます。すでにWindowsのネットワーク設定が終わっているなら、再起動もなく、その場で利用可能になります。電源はUSBポートから供給されるので、外部にACアダプターをつないだりする必要もありません。
 Windows98からはこのアダプターがどう認識されるかといえば、PCカードやPCIバスのネットワークアダプターと違いはありません。コントロールパネルで確認すると、右の写真のようにまったく同じ扱いになっています。つまり、接続方式は異なるけれど、Windows98からは同じ操作でコントロールできます。
 なお、この製品はWindows98専用となっています。Windows95と98とでは同じUSBとはいっても微妙に違いがあり、別のドライバーを用意しなければ動かないとか。他にもいろんな問題があるので、USBを使うならWindows98にアップグレードした方が良さそうです。

デスクトップにもおすすめの製品

スロットに空きがないときは、タワー型に使ってもいい。
 まあ、インストールの手間は手間はPCカードと同じですが、PCIバスにセットする拡張カードに比べるとはるかに楽ちん。PCカードは基本的にノートでしか使えないけど、USBならノートとデスクトップの両方に対応できます。
 USBにネットワークアダプターを接続するメリットは、PCカードスロットや拡張スロットをふさがずにすむところ。VAIO505やDynabookSSなどの薄型ノートにはPCカードスロットが1つしかない。ここにネットワークアダプターをセットしてしまうと、他のカードを使えなくなってしまう。こんなときにUSBは力を発揮するでしょう。
 また、デスクトップであっても、けっして拡張スロットが十分だとはいえないはず。最近流行の液晶デスクトップでは1〜2本のスロットしかないし、タワー型であってもMicroATX仕様ではスロットは3本だけ。オフィス環境のようにネットワークへの依存度が高いなら、PCIバスにネットワークアダプターをつなぐべきでしょうけど、それほどデータ転送量が多くはない家庭内LANのためにPCIバスを消費するのはもったいない。デスクトップであっても、USBネットワークアダプターを使う価値は十分にあると思います。

PCカードよりは約35%遅い

 さて、USBネットワークアダプターの実力です。結論を先に言うと、PCカードに比べるとやや速度が劣るものの、十分に実用的に使えるだけのスピードが出ています
 下の表は37.6MBと24.4MBのファイルを転送するのに要する時間。USBはPCカードの約1.5倍の時間がかかり、転送レートで言えば約35%遅いことになります。
 とはいえ、24.4MBのファイルでも約50秒でダウンロードが終わります。これほど大きなデータを転送することは、家庭内LANにおいてそうしばしばあることではないでしょう。遅さに我慢できないというレベルではありません。また、ダイヤルアップルーターなどを通してインターネットに接続するという用途なら、十分すぎるほどの能力です。

データ転送に要する時間

 

ダウンロード

アップロード

データサイズ

37.6MB

24.4MB

37.6MB

24.4MB

PCカード

49.8秒

32.4秒

71.8秒

46.6秒

USB

76.3秒

49.8秒

94.6秒

60.4秒

実効データ転送レート

 

ダウンロード

アップロード

データサイズ

37.6MB

24.4MB

37.6MB

24.4MB

PCカード

6.03Mbps

6.02Mbps

4.19Mbps

4.19Mbps

USB

3.94Mbps

3.92Mbps

3.18Mbps

3.23Mbps

テストに用いたのはLet's note mini(CF-M32)。比較に用いたPCカードはcorega Ether PCC-T(コレガ)。Celeron・300MHzのWindows98マシンとの間で、ファイルのダウンロード・アップロードのそれぞれに要する時間を計測した。

サイズが大きいところが残念

 難点があるとすれば、今回購入したNET-USB-E45はサイズが大きいところ。デスクトップの裏側にぶら下げておく分にはいいけれど、携帯ノートといっしょに持ち歩くのはちょっと敬遠したい。ネットワーク機器を扱っている店に行けば、他にもたくさんのUSBネットワークアダプターがあるので、サイズが小さいやつを探してみるといいでしょう。
 また、USBの仕様上の制限から、これ以上の高速化を求めることはできません。100Base-TXのような高速ネットワークをUSBで実現するのは、次世代のUSB2.0が登場するまで無理。でも、スピードよりも手軽さを重視するなら、USBのネットワークアダプターはぜったいにおすすめです。

左がPCカードを使った場合、右が今回のUSBアダプターをつないだところ。サイズが大きく、携帯には不向きかも。スマートさではPCカードがリードしてますね。



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