
Rainbow Runner for G-Series(製品情報)
Matrox Graphics
購入価格:19,800円
パソコンでTVを見てしまおうというTVチューナーカードです。パソコンの画面上にウィンドウを開いて、そこにTV画面を表示させることができます。また、ビデオメモリーが十分なら全画面表示も可能です。
実は、技術評論社の「PC PARTS PRESS」Vol.4(7月中旬発売)の特集記事でTVチューナーカードの記事を担当しました。TVチューナーカード全8製品の評価をしています(うち2製品は自前で購入、残り6製品は編集部から借用)。ここではスペースの関係から書ききれなかったことをフォローしたいと思います。
RainbowRunnerは、Matroxのビデオカード(Millennium G200など)専用のTVチューナーカードであり、他社製のビデオカードと組み合わせることはできません。ただ、専用品だけに画質は良く、機能も豊富です。
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| TV画面をウィンドウ表示。TV画像のデータはCPUやメインメモリーを経由しないので、他のソフトのスピードは落ちない。 |
まあ、ここまでなら他のTVチューナーカードでも同じことができます。Rainbow Runnerのすごいところは、動画のキャプチャー機能。
一般のTVチューナーカード(また安価なビデオキャプチャーカード)は、非圧縮のAVI形式でしか動画を保存できません。実用的に使えるのはせいぜい数十秒の取り込みで、10分も録画を続けるとハードディスクはいっぱいになってしまう。
ところが、Rainbow RunnerはMotionJPEG形式で画像を圧縮しながらハードディスクに記録できるのです。176×120ドット・毎秒15フレームで取り込んだ場合、ビットレートは毎秒0.2MBになります。これがどれくらいすごいことかというと、ハードディスクに1GBの空き容量があれば、約1時間半の動画を記録できるということ。10GBあれば15時間ですよ。今や20GBクラスのハードディスクが3万円台で買えることを考えると、パソコンをビデオデッキ代わりに使うこともできるのです。
ちなみにRainbow Runnerは、画像圧縮をハードウェアで処理しています。つまり、圧縮という負荷の高い作業であっても、他のソフトの動作速度が落ちないわけです。今、Celeron・300MHzにUltraATA33のハードディスクを使っていますが、画像記録のCPU占有率はせいぜい15%程度。もし、PentiumIIIとか使っているなら、まったく問題とならないレベルになることでしょう(そんな高いCPUを僕は使えないのでよく分からんです)。
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| 画面中央のつまみを調節すれば、画像のサイズや圧縮率を調整できる。 |
もちろんビデオテープを使ってもいいんですが、整理整頓の能力に欠ける自分としてはハードディスクに記録した方が気楽です。テープって外から見ても中に何が入ってるか分からないんですよね。「あっ、これ録画しとこ!」と思っても、手元のテープに上書きしてしまって大丈夫なのか? となると、未開封の新しいテープを使うことになる。こうしてTVの回りは何を録画したのははっきりしないテープが山積みになってしまうわけです。後で手当たり次第に再生してみると、ほとんどはどうでもいい番組だったりして。
それから、ビデオデッキの操作が複雑すぎる。パソコンはワープロでも表計算でも見よう見まねで何とか使いこなせるけど、ビデオデッキで予約録画をしようとするたびにマニュアルを探さなければならない。
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| タイマー機能の設定画面。この画面を見るだけで何ができるかが分かるでしょう。 |
いろいろあるTVチューナーカードの中では出色のできなのですが、まだまだ不満な点はあります。
まずがリモコンですね。パソコンの前にいる間はキーボードやマウスが使えるからいいのですが、全画面表示で寝っころがってTVを見ているとき。チャンネルを切り替えるために、わざわざ起き上がって、のこのこパソコンの前まで行かなきゃならないのは面倒。まあ中途半端な安っぽいリモコンを付けてもらうくらいなら、ワイヤレスキーボードで操作するという手もありますが。
それと動画の圧縮方式。Rainbow RunnerがMotionJPEGで動画を圧縮するのは、ビデオ編集のしやすさを重視したものと思われます。だがしかし、本格的にビデオ編集するユーザーなんてほんの一握りのはず。大部分のユーザーは手軽に録画し、後からちょこっと見直すだけ。たまにお気に入りの部分だけを切り出して保存しておく。という使い方でしょう。
ならば、より圧縮率の高いMPEGを使った方が有利です。ビデオCDに使われるMPEG1の場合、ビットレートは1.41Mbps(352×240ドット・毎秒30フレームの一例。MPEGはビットレートが可変なので)。このビットレートなら画質はVHSビデオ並みになります(これもややこしいけどビットレートは同じでもエンコーダーにより画質が変わります)。MotionJPEGの半分くらいのサイズで済む計算であり、仮に4GBの空きハードディスクがあったとすれば、だいたい6時間半の高品位な画像記録が可能です。
また、MPEGを使うメリットとして、CD-RドライブがあればビデオCDに加工できるという点があります。ビデオCDはパソコンで再生できるのはもちろん、DVDビデオ再生機でも見ることができる。1枚150円のCD-Rに1時間強の画像を記録できるから、コストパフォーマンスの点ではビデオテープといい勝負ができそうです。取っておきたい画像はぜんぶCD-Rで焼いちゃえばいいわけです(原理的にはということで、DVDとCD-Rは反射率が異なるのでDVDビデオ再生機が対応できない可能性もあります。だれか試した人はいますか?)。
さらに、もっと高画質なMPEG2という可能性もあります。これならVHSビデオよりもはるかにきれいな画像を残せます。
こうした不満を解決してくれる存在として、ATI Technologiesの「ALL
IN WONDER128」や3Dfxの「Voodoo3
3500TV」があります。単体のTVチューナーカードではなく、ビデオカードにTVチューナー機能を追加したものです。どちらもMPEG1/2方式のリアルタイム圧縮機能を持っていて、ビデオデッキ代わりにパソコンを使うという用途にぴったり。しかもビデオカードとしても高性能で、描画スピードが速い。
もうすぐ発売される予定なので、店頭に並んだらすぐに試してみたいなと思っています。