CPUのチェックポイント

 自作パソコンの構成を考える際、大部分の人は「CPUに何を使うか」からスタートするでしょう。CPUが決まれば、マザーボードに何を使えるかも自動的に決まってきます。
 CPU選びでまず考えなければならないのは、インテルとAMDのどちらを選ぶかです。かつてはCPUといえばインテルの独占状態であり、ほかのメーカーのCPUは互換CPUとひとくくりにされていました。インテルのCPUを使うのが王道であり、互換CPUを選ぶのはよほどのマニアか、予算に厳しい制限があるときだけでした。しかし、AMDが1999年6月にAthlon(アスロン)を発表してからは状況が変わり始めます。互換CPUは性能も安定度もインテルのCPUに劣っているとされていましたが、AthlonはインテルのPentiumIIIよりも高い性能を持っていたのです。また、最初は不安定なところもありましたが、時間の経過とともに安定度も向上していきます。
 現時点ではインテルのPentium4かAMDのAthlon XPのどちらかを選ぶことになるでしょう。また、予算を押さえたいなら、インテルのCeleronかAMDのDuronという選択になります。

 もう一つのポイントが、性能重視で選ぶか、価格重視で選ぶか。もちろん高い性能を持ったCPUほど値段は高くなります。いちばん無難な選択は、値段が2〜3万円のCPUを選ぶことだと思います。この価格帯がもっとも性能と価格のバランスがとれているからですね。
 最新のCPUはかなり高めの価格設定になっています。CPUは生鮮食料品と同じくらい価格の下がり方が激しく、1年もたてば同じCPUが半額以下で買えるようになります。たとえば、1998年7月の時点ではPentiumII・400MHzが最上位のCPUであり、10〜11万円で販売されていました。それが1年後には2万円前後で買えるようになりました。わずか5分の1になってしまったわけです。
 将来性を第一に考え、最新CPUを選ぶというのはけっして賢い選択ではありません。今はそこそこのCPUを買っておき、その性能に不満を覚え始めたら、その時点でそこそこのCPUに交換する。こんな芸当ができるのも自作パソコンならではですね。

 徹底的に価格を重視し、1万円以下の安いCPUを選ぶという手もあります。インテルのCeleronもAMDのDuronも安いものは1万円を切っています。確かにこのクラスのCPUでもビジネスソフトを使う分には不足を感じることはありません。しかし、1万円ほどプラスすれば、性能がぐんと充実したCPUが手にはいることも事実です。

CPUのいろいろ

インテル Pentium4(ペンティアム・フォー)

インテルが2000年11月に投入した新世代CPU。「Willamette」の開発コード名で知られていたCPUです。
 NetBurstアーキテクチャを採用し、これまでのP6アーキテクチャとは構造が大きく異なります。P6アーキテクチャとは1995年11月のPentiumProで初めて採用されたもので、その後に登場したPentiumIIやPentiumIII、CeleronはいずれもPentiumProと同じ基本構造を持っています。異なるのは2次キャッシュのアクセス方式などです。
 登場当初は値段が高く、ごく一部でしか用いられていませんでしたが、2001年夏ごろから価格が急に下がり始めました。また、最初はPentium4用のチップセット「Intel850」が割高なRDRAMにしか対応していませんでしたが、SDRAMをサポートする「Intel845」が登場しています。システム全体のコストが大きく下がったため、普及の後押しをすることになりました。
 Pentium4の形状には「Socket423」と「Socket478」の2種類があります。今後はSocket478が主流になるので、これから組み立てをするならSocket478を選ぶべきです。

形状 Socket423/Socket478
FSBクロック 400MHz
動作周波数 1.5GHz/1.6GHz/1.7GHz/1.8GHz/1.9GHz/2.0GHz
2次キャッシュ 256KB
拡張命令 SSE2

AMD AthlonXP(アスロンXP)

 Pentium4に対抗するAMDの主力CPU。「Palomino」の開発コード名で知られていたCPUです。このCPUをサポートするチップセット「AMD760」はいち早くDDR SDRAMに対応し、比較的低価格で高性能のシステムを作ることができました。かつてはインテルよりも劣ると見られていたAMDの互換CPUですが、すでにインテルと肩を並べるところまできています。
 注意しなければならないのは、AMDは動作周波数の代わりにガイドナンバーを用いているところ。「1500+」とあるのは1.5GHzのことではなく、Pentium4の1.5GHz相当の処理能力を持っていることを表しています。実際の動作周波数は1.33GHzと低くなっています。Pentium4は動作周波数あたりの処理能力が低いため、Pentium4とAthlonXPの動作周波数をそのまま比較することはできません。

形状 SocketA
ベースクロック 266MHz
動作周波数 1500+(1.33GHz)/1600+(1.40GHz)/1700+(1.47GHz)/1800+(1.53GHz)/1900+(1.60GHz)/2000+(1.67GHz)
2次キャッシュ コア内蔵・256KB
拡張命令 3D Now! Professional

インテル PentiumIII(ペンティアム・スリー)

 インテルの主力CPUであり、PentiumIIの後継となるもの。
 PentiumIIIにはKatmai(カトマイ)とCoppermine(カッパーマイン)の2系統があります。Katmaiは最初に登場したPentiumIIIで、構造はPentiumIIとほとんど違いがありません。MMXの強化版であるSSEを搭載した点が異なります。Coppermineは構造を大きく変更し、2次キャッシュをコアに内蔵しています(Celeronと同じ方式)。今後はKatmaiが徐々に姿を消し、Coppermineが主流になっていくでしょう。
 今のところ(2000年2月)はSlot1を用いるタイプが多いのですが、CoppermineではSocket370タイプが登場しています。こちらも次第に低コストのSocket370に移行していくでしょう。注意したいのは同じSocket370でも、CeleronとPentiumIIIではピン配置が異なるところです。Celeron用のSocket370マザーボードではそのまま使うことはできません。
 下のAthlonに対抗し、インテルはPentiumIIIの価格を大幅に引き下げています。動作周波数がひくいものは2〜3万円で購入できます。

形状 Slot1/Socket370
ベースクロック 100MHz/133MHz
動作周波数 Katmai(100MHz) 450(100×4.5)/500(100×5)/550(100×5.5)/600(100×6)
Katmai(133MHz) 533B(133×4)/600B(133×4.5)
Coppermine(100MHz) 500E(100×5)/550E(100×5.5)/600E(100×6)/650(100×6.5)/700(100×7)/750(100×7.5)/800(100×8)
Coppermine(133MHz) 533EB(133×4)/600EB(133×4.5)/667(133×5)/733(133×5.5)/800EB(133×6)
2次キャッシュ パッケージ内蔵・512KB(Katmai)/コア内蔵・256KB(Coppermine)
拡張命令 SSE

インテル Celeron(セレロン)

 PentiumIIIの廉価版と考えると分かりやすいでしょう。ベースクロックは66MHzと遅く、2次キャッシュは128KBと少な目です。また、マルチプロセッサーのシステムには利用できません(ABITのBP6というマザーボードを使うという技もありますが)。ただ、128KBの2次キャッシュはCPUコアに内蔵し、低価格ながら意外にパワフルです。形状としてSlot1とSocket370の2種類がありますが、Socket370への移行が急速に進んでいます。もうSlot1を見かけることはほとんどありません。
 通常の用途ならCeleronでじゅうぶんです。今、コストパフォーマンスがもっとも高いCPUと言っていいでしょう。安いものなら1万円以下で買えます。

形状 Slot1/Socket370
ベースクロック 66MHz
動作周波数 300A(66×4.5)/333(66×5)/366(66×5.5)/400(66×6)/433(66×6.5)/466(66×7)/500(66×7.5)/533(66×8)
2次キャッシュ CPUコア内蔵・128KB
拡張命令 MMX

姿を消したCPU

AMD Athlon(アスロン)

 AMDが投入した高性能CPU。パフォーマンスはPentiumIIIを上回り、現時点ではパソコン用CPUとしてはもっとも高速に動作します。200MHzという高速な外部クロックで動作し、128KBの大容量1次キャッシュ、パッケージに内蔵された512KBの2次キャッシュを備えています。また、マルチメディア処理を加速するEnhanced 3D Now!が搭載されました。ただ、CPUの発する熱はすごいようで(つまり電源まわりが厳しい)、電源ユニットによっては動作が不安定になることもあるとか。
 2000年になって、IBMや富士通、NECなどの大手メーカーがAthlon搭載機を次々に投入。今まではK6-2で低価格のイメージが強かったAMDですが、大手メーカーのAthlon採用によりイメージが大きく変わりつつあります。

形状 SlotA
ベースクロック 200MHz
動作周波数 500/550/600/650/700/750/800/850/900/950MHz/1GHz
2次キャッシュ パッケージ内蔵・512KB
拡張命令 Enhanced 3D Now!

AMD K6-III(ケイシックス・スリー)

 K6-2の後継CPUです。CPUコアに256KBの2次キャッシュを内蔵(Celeronと同じ仕組みですね)。さらにマザーボード上には2MBまでの3次キャッシュを置くことができ、AMDはこれをTriLevel Cache(トライレベルキャッシュ)と呼んでいます。
 使い方によってはPentiumIIIをも上回る性能を発揮しそうです。互換CPUが性能面でインテルCPUと肩を並べたという点で画期的なCPUですね。
 Athlonが発表された今となっては影が薄くなってしまいましたが、Socket7マザーボードを持っている人はアップグレード用として最適かもしれません。僕もテスト用マシンではK6-IIIを使っていますが、なかなかパワフルです。

形状 Socket7
ベースクロック 100MHz
動作周波数 400(100×4)/450(100×4.5)
2次キャッシュ CPUコア内蔵・256KB
拡張命令 3D Now!

AMD K6-2(ケイシックス・ツー)

 互換CPUの中ではもっとも人気があります。価格の割にはそこそこの性能を発揮するし、3D Now!という拡張命令により3Dゲームも高速に動きます。また、従来からのSocket7を使っているため、対応マザーボードも比較的安い価格で入手できます。
 AMDによると、同じ周波数で動く場合、K6-2はPentiumIIと同等の性能を発揮する、とのことです。
 450MHz版でも価格は6,000〜7,000円。こんな価格でこの性能が手にはいるとは驚きです。

形状 Socket7
ベースクロック 66MHz/95MHz/97MHz/100MHz
動作周波数 350(100×3.5)/366(66×5.5)/380(95×4)/400(100×4)/450(100×4.5)/475(95×5)/500(100×5)/533(97×5.5)
2次キャッシュ マザーボード上に配置
拡張命令 3D Now!

インテル PentiumII(ペンティアム・ツー)

 定番のCPUです。登場時は「ファミコンのカセットか?」と好奇の目で迎えられましたが、これはパッケージの中に2次キャッシュを内蔵しているため。専用バスで2次キャッシュを接続することでスピードアップを図っています。
 当初は66MHzのベースクロックでスタートしましたが、現在は100MHzへと移行しています。ここがCeleronに比べて有利な点です。
 今では後継のPentiumIIIへとほぼ移行してしまい、ショップでも見かけることが少なくなりつつあります。

形状 Slot1
ベースクロック 100MHz
動作周波数 350(100×3.5)/400(100×4)/450(100×4.5)
2次キャッシュ パッケージ内蔵・512KB
拡張命令 MMX

Cyrix MII(エム・ツー)

 とっても安価な互換CPU。注意したいのは「MII-××GP」(たとえばMII-400GP)のように販売されているけれど、××の部分は実際の動作周波数とは異なるところ。MII-400GPとは、PentiumII・400MHzと同等の性能を持っているという意味らしい。

形状 Socket7
ベースクロック 66MHz/83MHz/95MHz/100MHz
動作周波数 300(66×3.5)/333(83×3)/366(100×2.5)/400(95×3)
2次キャッシュ マザーボード上に配置
拡張命令 MMX

IDT WinChip2(ウィンチップ・ツー)

 とっても安価な互換CPU。ただ、他社との性能競争では一歩後れをとっている。現在のCPUとしてはめずらしく、単一電圧で動作するため、デュアルボルテージに対応しないような古いマザーボードにも対応できるのが魅力。昔のメーカー製Pentiumマシンをアップグレードするという用途にも使える(動作は保証しません!)。なお、最上位版のWinChip2 266だけは、表記と実際の動作周波数が一致していません(MIIと同じ方式であり、IDTも今後はこの方式でいくのかもしれません)。
 なお、IDT社はチップセットメーカーのVIA社に買収され、現在ではWinChip2を入手することはできません。残念なことです。

形状 Socket7
ベースクロック 60MHz/66MHz/75MHz/100MHz
動作周波数 200(66×3)/225(75×3)/240(60×4)/266(100×2.33)
2次キャッシュ マザーボード上に配置
拡張命令 3D Now!

CPUの基礎知識

 CPUを選ぶ上で知っておいて損はない知識です。ここに紹介したキーワードをすべておさえておけば、どこに出ても恥ずかしくはないはず。

互換CPU

 自作パソコンで使われるCPUはx86系と呼ばれるタイプ。もともとインテルが開発したCPUですが、他にAMDやCyrix、IDTなどのメーカーも製造しています。
 これらのメーカーのCPUは、インテルCPUと基本的に同じ機能を持ち、同じソフトを動作させることができます(ただ、内部構造はまったく異なる)。そこでまとめて「互換CPU」と呼んでいます。
 互換CPUのメリットは、インテルCPUよりも低めに価格が設定されているところ。システム全体のコストを引き下げることが可能です。特にIDTのWinChip2やCyrixのMIIは5,000円を下回るような激安価格で販売されています。
 ただし、インテルCPUよりもトラブルに遭遇する確率が高くなってしまうことは否定できません。これはCPUの責任というより、CPUと組み合わせて使うマザーボードや、そのマザーボードをコントロールするデバイスドライバーに原因があります。
 自作に初挑戦の場合、インテルCPUを選ぶのが無難。どうしても互換CPUという場合は、パーツをバラバラに買わず、販売店ですべてセットで購入すべきです。相性によるトラブルを防ぐためです。

Slot1 Socket370 Socket7 SlotA

 CPUをマザーボードに取り付けるコネクタの形状が複数あります。CPUごとにコネクタ形状が異なるため、CPUに合わせたマザーボードを選ばなければなりません。
 現時点ではという限定条件が付きますが、Slot1とSocket370はインテルCPUが利用し、Socket7は互換CPUが使う、と考えておけば大丈夫です。
 「Super7」という言葉もありますが、これはAGPバスや100MHzベースクロックなどの最新技術に対応したSocket7マザーボードのことです(といより、もっと広いプラットフォームとして使われる言葉です)。
 また、「SlotA」というのは、AMDの最新CPUであるAthlonが利用するスロット規格です。物理的な形状はSlot1と同じですが、信号線の配置などはまったく異なります。
 ついでに、「Slot2」という規格もあり、これはPentiumII XeonやPentiumIII Xeonというワークステーション&サーバー用CPUが採用しています。

Slot1 PentiumIII(および古いCeleron)
Socket370 Celeron/PentiumIII
Socket7 K6-2/K6-III/MII

左がSlot1、右がSocket7。このようにCPUによってマザーボードの選択が変わってくるところに注意。

動作周波数

 同じCPUであっても動作周波数によって処理速度が異なり、動作周波数が高くなるほど処理性能は向上します。たとえば、PentiumII・350MHzよりもPentiumII・450MHzの方が高速です。ただ、K6-III・450MHzとPentiumIII・450MHzは動作周波数が同じでも処理速度は異なります。CPUの種類が異なるためで、動作周波数の比較は同種のCPUの間でのみ有効です。
 注意したいのは動作周波数と処理速度が比例するわけではないところ。PentiumII・450MHzは、PentiumII・300MHzの1.5倍の性能を持っているわけではありません。これは次の項目であるベースクロックがひとつの原因となっています。

ベースクロック

 現在のCPUは数百MHzという超高速で動いていますが、パソコンのシステム全体をこの速度で動かすのは困難です。で、実際はどうなっているかというと、システム全体は66MHzや100MHzという比較的遅いタイミングで動かし、CPU内部だけは別の速度で動かしています。このシステム全体のタイミングをとる周波数がベースクロックです。
 CPUはベースクロックで外部とデータをやりとりします。つまり、メモリーや拡張バスとデータをやりとりする回路に変更を加えず、CPUの内部だけを高速化していくことが簡単にできるわけです。
 たとえば、PentiumIII・500MHzはベースクロック100MHzで動作し、CPU内部はベースクロックの5倍で動いています。また、Celeron・400MHzはベースクロック66MHzで、CPU内部はその6倍で動作します。
 CPUごとにどのベースクロックで動かせるかは決まっています。PentiumIIやIIIは100MHzですが、Celeronは66MHzと遅い。仮にCPUの動作周波数が同じであっても、ベースクロックが1.5倍も異なるために外部とのデータ交換の速度が大きく異なってきます。これがCeleronが低価格に設定されている理由でしょう。同じ400MHzであっても、ベースクロック66MHzを6倍するより、ベースクロック100MHzを4倍した方が高速です
 現在のCPUはベースクロック100MHzが主流になりつつありますが、より高速なベースクロックに対応したCPUも開発が進んでいます。今年秋に発売予定のPentiumIIIでは133MHzへと高速化、AMDのAthlonは200MHzというベースクロックで動作します。
 なお、ベースクロックは「外部クロック」や「FSBクロック」と呼ばれることもあります。外部クロックは、CPU内部の動作クロックと対応させて使う言葉。FSB(front side bus)とは、PentiumIIが2次キャッシュを接続するBSB(back side bus)に対応する言葉で、CPUがメモリーや拡張バスとデータをやりとりするバスを指しています。

2次キャッシュ

 メモリーへのアクセス速度は、ハードディスクに比べるとはるかに高速ですが、CPUの処理能力に比べるとかなり遅いのが実状です。低速なメインメモリーとデータをやり取りする間、CPUは処理を中断しなければならず、その本来のスピードを発揮できません。そこで、CPUとメインメモリーとの間に高速アクセスが可能なキャッシュメモリーを配置し、CPUの待ち時間を最小限に減らすという手法が用いられます。メインメモリーとやり取りしたデータはここに一時的に保管され、CPUが次に同じデータにアクセスしようとすると、メインメモリーではなく、高速なキャッシュメモリーからデータを読み込みます。
 キャッシュメモリーは効果をより高めるため、1次キャッシュ、2次キャッシュ、3次キャッシュと複数の階層を持っています。CPUはまず1次キャッシュを検索し、そこにデータがなければ2次キャッシュ、そして3次キャッシュにアクセスします。1次キャッシュは高速なメモリーを使っていますが、容量はごく小さい(32KBや64KBが一般的)。反対に2次キャッシュはちょっと低速だけど、容量はそれなりに大きい。
 で、問題となるのが2次キャッシュをどのように接続するかです。かつては、マザーボードの上に2次キャッシュを置くのがふつうでしたが、PentiumIIではファミコンのようなカートリッジの中に2次キャッシュを内蔵し、専用バスで接続しています。マザーボード上の2次キャッシュには外部クロックでアクセスすることになりますが、PentiumIIでは内部クロックの半分の周波数で2次キャッシュにアクセスできます。つまり、2次キャッシュへのアクセス効率がぐんと向上したわけです。
 また、CeleronやK6-IIIはCPUコアに2次キャッシュを内蔵しています。CPUの動作周波数と同じタイミングで2次キャッシュにアクセスでき、待ち時間をより短縮できます。PentiumIIIも次のバージョンでは2次キャッシュをCPUコアに内蔵するようです。

拡張命令

 近ごろのCPUにはマルチメディア処理を高速化する専用命令が追加されています。動画や音声の処理は、同じパターンの演算を何度も何度も繰り返すことが多く、従来の命令を使ったのではCPUの能力を無駄に消費することになってしまいます。
 そこで、複数のデータに同じ処理を繰り返して適用する専用命令が登場しました。パソコン用CPUでこうした命令を追加したのは、MMX Pentiumが最初。57の新命令を追加し、インテルはMMXと命名しました。PentiumIIやCeleronなどその後に登場したインテルCPUにもMMXは搭載されています。
 一方、AMDはMMXを強化した「3D Now!」をK6-2やK6-IIIに採用しました。MMXは整数演算にしか対応していませんが、3D Now!は浮動小数点演算にも対応。3Dグラフィックス処理を大幅に高速化できます。また、インテルも3D Now!に対抗する形で「SSE(ストリーミングSIMD拡張命令)」をPentiumIIIに搭載しました。
 注意したいのは、これらの拡張命令があったとしても、ソフトウェアが拡張命令を利用しなければ何の意味もないことです。また、DVDビデオの再生や3Dグラフィックス、音声認識などのいわゆるマルチメディアは高速化されますが、ワープロやメールソフトなどのいわゆるビジネスソフトには何の効果も及ぼしません。


 
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