ダイバーのための写真講座2

 次は、レベル補正の自動設定では対応できないケースを見てみましょう。9割の写真は自動設定だけで鮮やかになりますが、後の1割は画面で色合いを見ながら手動で調整していく必要があります。
 宮古島の八重干瀬で撮った珊瑚の写真を補正していきます。自分の写真ではありません。いっしょに宮古島に行った米山さんの写真をつかわせていただきました(ありがとうございます)。
 こうしたワイドの写真では、よほど強力なライトで照らさない限り、全体が青っぽくなってしまいます。何も工夫しないできれいな写真が撮れるのは、透明度が限りなく高く、太陽ががんがんに差し込んでいる浅場だけでしょう。

 まず、レベル補正の自動設定を使った結果と、手動で補正した画像とを比べてみましょう。
 自動設定でも確かにコントラストが高くはなっていますが、全体的に緑がかっており、しまりのない写真になっています。

オリジナルの写真
レベル補正で自動設定を行った写真 手動でレベル補正を行った写真

写真に含まれるデータを分析しよう

 なぜこういう結果になったかは、レベル補正のグラフをみると分かります。
 コンピュータでは画像を、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の組み合わせとして扱います。
 この原則を頭に入れた上で、下の写真を見てください。
 写真全体のデータは明るい方から暗い方まで平均的に広がっています。
 しかし、チャンネルから三原色を個別に見てみると、色ごとに分布が異なります。
 赤のデータが左側、つまり暗い方へ集中的に分布しているのに対し、緑と青は明るい方に分布しています。
 これがオリジナルの写真が青緑のモノトーンに見える理由です。
 自動設定では三色をまんべんなく平均化したため、赤のデータが表にでてきません。
 手動で赤のデータを強調する必要があります。

写真全体では信号が左(暗い方)から右(明るい方)までまんべんなく分布しています。一見すると何の問題もないようです。
チャンネルから「赤」を選ぶと、暗い方にしか信号が分布していません。これが全体的に青緑のモノトーンに見える理由です。しかし、幸いなことに赤のデータがまったく欠落しているわけではないので、手動でならバランスをとれそうです。実は深場で撮影したときなど、赤のデータがまったく存在しないというケースもあり、そうなると色補正は事実上不可能になってしまいます。
「緑」と「青」には共通した傾向が見られます。暗い部分の信号がなく、山が明るい方にかたよっています。暗いデータがないということは、すなわち「黒のしまりがない」ということです。オリジナルの画像が全体的にぼやけて白っぽく見えるのは、山が右に位置しているためだと考えていいでしょう。山を中心に移動することで、コントラストの高い画像にすることができます。

手動でレベル補正する方法を見てみよう

 最初に緑と青の二色から始めましょう。
 上の表で説明したように、山を中心に移動し、暗い部分のデータを補ってやります。
 こうすることで黒がしまって見え、写真全体のコントラストが高まります。

 まずはチャンネルから「緑」を選びます。
 グラフの下にある▲マークをドラッグし、山が立ち上がるポイントまでドラッグします。
 ここをもっとも暗い点に指定するわけです。
 グラフで左側の平坦な部分は有効な信号がないわけですから切り捨ててしまいます。
 同じようにして「青」のチャンネルも▲マークの位置を移動させます。
 

 チャンネルから「緑」と「青」を選び、それぞれグラフの下の▲マークの位置を動かします。平坦な部分を無視するようにして、グラフの山が立ち上がるところまで持っていきましょう。こうすると、▲と△で囲まれた部分を引き伸ばし、山を均一にすることができます。
 ▲をもっと右に持っていくと、画像はどんどん暗くなっていきます。反対に△を左側に移動すると明るくなります。いろいろ試して、コツをつかんでみましょう。
オリジナルの画像 緑と青を手動で調整した画像

 続いて、「赤」のチャンネルに移りましょう。
 補正の方法は上と同じです。
 今度は△マークを左に動かし、やはり山の立ち上がるところまで動かします。
 画面を見ながら、適切な色になるポイントを探しましょう。
 ここではちょっと極端に赤みを強調してみました。
 写真の左下の赤い枝珊瑚がはっきりと見えてきたはずです。

グラフの下にある△マークを左へとドラッグします。どこまで動かすかは画面を見ながら微調整してください。ここでは赤い枝珊瑚がきれいな色で見えるところまで動かしてみました。
緑と青を手動で調整した画像 さらに赤も調整した画像

画面を見ながら最後の微調整

 赤い枝珊瑚の色はきれいに再現できたかもしれませんが、こんどは全体が赤みがかってきます。
 左上の岩が赤くなっただけでなく、海の青もにごってしまいました。
 本当は△マークを山の立ち上がるポイント、もっと右の方でとどめておくべきです。
 枝珊瑚にとらわれて、左へ動かしすぎました。
 全体の色調と枝珊瑚の赤味の両方を生かしたいときは、真ん中にあるグレーの▲マークで調整します。
 白い△マークは山の立ち上がりに、グレーの▲マークをやや左へとドラッグし、最適なポイントを探してください。
 同じようにして、緑のチャンネルもちょっといじってみます。
 グレーの▲マークをやや右へと動かすと、緑のデータが抑えられ、海の青さが強調できます。
 ここでの調整量はあくまで一例です。
 ディスプレイによっても見える色合いが違ってきますから、自分の好みに合うように試してみましょう。

赤のチャンネルです。白の△マークは山の立ち上がりに置き、グレーの▲マークで赤味の度合いを調整します。左に動かすほど赤味が強調されます。
海の青さを強調するには、青のチャンネルをいじるよりも、緑をおさえた方が効果的です。グレーの▲マークをやや右に動かすことで、青を引き立たせます。ただし、あまり派手に動かすと不自然になるので注意。
赤味の目立った画像 赤味を抑え、海の青さを強調した画像


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