インターネットで会社を作る(9) ~公証役場へGo! 認証された電子定款を受け取りに行く
《2008年8月 9日》 《カテゴリー:会社設立》
オンライン申請システムで手続きが完了したのが12時40分くらい。
その日のうちには認証は終わらないかなあ、と思っていたら、
3時半くらいに公証役場から電話があった。
準備ができたので都合のいい日に定款を受け取りに来て欲しいとのこと。
もちろん「すぐ行きます!」と答える。
オンラインで申請ができるのであれば、
電子定款の受け取りもオンラインでやればいいじゃないか。
そう思うのだが「公証人法」において、
公証人の面前での本人確認が求められているため、
公証役場に本人が出向く必要がある。
(もしくは委任状を作成して代理人が受け取りに行く)
たぶん公証人法のこの条文だろう。
古文書を読んでるみたいだ。
第62条ノ3 前条ノ定款(其ノ定款ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ除ク以下之ニ同ジ)ノ認証ノ嘱託ハ定款2通ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
2 公証人前条ノ定款ノ認証ヲ与フルニハ嘱託人ヲシテ其ノ面前ニ於テ定款各通ニ付其ノ署名又ハ記名捺印ヲ自認セシメ其ノ旨ヲ之ニ記載スルコトヲ要ス
3 公証人ハ前項ノ記載ヲ為シタル定款ノ中1通ヲ自ラ保存シ他ノ1通ヲ嘱託人ニ還付スルコトヲ要ス
4 第58条第3項、第59条、第60条、第61条及第62条ノ規定ハ第2項ノ場合ニ之ヲ準用ス
公証役場に持って行く必要があるもの
いろいろある。
- 発起人全員の印鑑証明書
何のための電子署名かと思うけど仕方ない。 - 公証役場に出向く人の身分証明書(免許証など)
身分証明書を持ってきてほしいといわれていたけど、実際には提示を求められなかった。 - 未使用のメディア(FDやCD-R、USBメモリーなど)
認証済みの電子定款を入れてもらう。自分は空のCD-Rを持って行った。公証役場によって対応できるメディアが違う可能性もあるので、「CD-Rで大丈夫ですか?」と確認しておきたい。 - 必要に応じて発起人の委任状
発起人が一つで、その発起人が公証人役場に行くのであれば委任状はいらない。複数人が発起人になっているなら全員が雁首そろえて公証役場に出向くか、行けない人は委任状を作成する。
自分の場合、自分と妻の2人が発起人になっていたので、
妻の委任状を作成して持って行った。
特にフォーマットはなく、必要な項目が入っていたら大丈夫。
委任状と定款を印刷したものをホッチキスでとめて、
ページごとに実印で割り印をしていく。
複数の発起人で委任状を作成するなら、
全員が割り印をする必要がある。
委任状の文面はこんな感じ。
委任状
私は徳川家康を代理人と定め、下記権限を委任する。
株式会社徳川幕府の設立に際し、添付の通り電磁的記録であるその原始定款を作成する手続、及び公証人の認証を受け、書面による同一の情報の提供を受領する嘱託手続に関する一切の件。慶長8年3月24日
株式会社徳川幕府
発起人
住所 東京都千代田区1丁目1番1号
氏名 徳川秀忠 印
発起人
住所 東京都千代田区1丁目1番1号
氏名 徳川家光 印
公証役場に着いた。
あまり役場っぽくなかった。
もっと古めかしくて暗いイメージがあったけど、
近代的などこにでもあるオフィスだった。
受付で、
「すみません。定款の認証をお願いしていた佐々木と申しますがー」と言えば、
すぐに担当の人が、
「お待ちしてましたー」
と出てきてくれた。
そう毎日、何件も認証をすることはないのだろう。
日本が会社だらけになっちゃうもんね。
持ってきた印鑑証明と空のCD-Rを渡す。
「謄本は何部必要ですか?」
と交付申請書を渡されたので、
「1」と記入。
「本当に1部でいいんですか?」
「はい。いいです」
通常は法務局への登記申請に定款の謄本が必要になるが、
オンライン申請ならPDFファイルを添付すればすむ。
また、税務署や銀行なども謄本のコピーで受け付けてくれる。
本当は「0」と書きたいところだが、
公証役場もボランティアでやっているわけではないので、
おつきあいで1部申し込むことにする。
「ちょっとその辺にすわって待っていてください」と、
担当の方がすぐ横でコンピュータの操作を始める。
あんまりジロジロ見るのも悪いなあと、
携帯電話の画面を見ているふりをするが、
やっぱり何をしているか気になるもの。
というか、公証役場を訪れた人なら誰でも見られるところに端末があるって、
セキュリティ上問題はないのだろうか?
(ちなみに画面はうちで見たオンライン申請システムと同じだった)
やっと終わった電子定款の認証
CD-Rに焼いたり、
謄本を印刷して綴じたり、
なんだかんだで20分くらいかかった。
手数料を支払ってCD-Rと謄本を受け取る。
手数料の内訳はこんなかんじ。
- 定款認証 50,000円
- 電子情報提供料 700円
- 謄本 100円(20円×5枚)
- 保存料 300円
電子情報提供料+謄本というのが謄本の交付手数料のこと。
電子定款では正確には「同一の情報の提供」というらしい。
PDFファイルをプリントアウトしたものと、
その最後に「これは、保存された電磁的記録に記録された情報と同一である」という証明書が付いてくる。
PDFファイルのページ数によって手数料が違ってくるところが面白い。
保存料というのは防腐剤ではない。
認証された定款は公証役場に20年間保存されることになっている。
その料金が300円ということ。
ちなみに将来的に謄本が必要になったときは、
証書登簿番号というのが必要になるらしい。
領収書にその番号が書いてあるのでなくさないようにしよう。
(番号が分からなくても会社名と認証した日付が分かれば大丈夫らしいが)
さて、気になるのがCD-Rの中身。
どんなものが入っているのか?
(ファイル名は一部書き換えてある)

argento.pdfというのが、
うちで作った電子署名付きPDFファイル。
これはまったく手が加えられていなかった。
残りの2つのファイルが公証役場で追加されたファイルだ。
このファイルが何であるかは数字のファイルを開くと分かる。

数字のファイルが公証人の電子署名ですね。
ここには載せないけどxmlファイルのソースを見ると、
中に署名が入っていることが分かる。
この電子署名を検査すればPDFファイルが改変されていないことを保証できる。
なるほどなあ。
電子署名って話に聞いてはいたけど、
実際にやってみるとまさにハンコの代わりだというのが実感できる。
また認証文を見ると、
「…情報に電子署名したことをそれぞれ自認する旨を本職の前で陳述した」
と書いてある。
だから公証役場に行く必要があるわけだ。
実際には公証人の前でそんな陳述したわけじゃないんだけど(笑
定款の認証が終わったので、
次回はいよいよ法務局への登記申請。
もちろんオンライン申請です。
投稿者 yasu : 2008年8月 9日 03:00
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