インターネットで会社を作る(7) ~電子定款で認証を受ける。法務省のオンライン申請システムは史上最低最悪だ!
《2008年8月 3日》 《カテゴリー:会社設立》
紙の定款で認証を受けるのはイメージしやすい。
製本したのに発起人のハンコをついて、
公証役場に持って行けばいい。
じゃあ、電子定款ならCDに焼いて持って行けばいいのか?
以前はそれでも良かったらしいが、
現在では法務省の「オンライン申請システム」を使って、
法務省のサーバーに電子定款のPDFファイルを送信する。
するとシステムから通知を受けた公証役場では、
PDFファイルをダウンロードして内容をチェック。
確認が終わると電話で連絡をもらえるので、
公証役場に行って認証済みPDFファイルをもらってくる。
なぜオンライン申請システムなのに、
PDFファイルを取りに行かなければならないのか?
さらに発起人の印鑑証明も持って行かなければならない。
電子証明書では本人確認にならないのか?
中途半端なオンライン化でいろいろ疑問がわいてくるが、
こうした素朴な疑問に今後もいろんなところで出くわすことになる。
ひとつ重要なことを忘れていた。
電子定款の認証はどの公証役場でも受け付けてくれるわけではない。
あらかじめ公証役場に確認しておく。
ここから調べることもできる。
http://www.koshonin.gr.jp/de2.html
オンライン申請システムを使う準備
今回の会社作りで一番の難関が、
このオンライン申請システムを使うための準備作業だった。
基本的にブラウザを使うのだが、
その前にいろんな設定が必要になる。
誰がこのシステムを設計したのだろうか?
今までいろんなウェブサービスを使ってきたけれど、
ここまで使い勝手が悪いシステムに出会ったことはない。
司法書士の利権を守るために、
わざと面倒なシステムにしているのではないか。
いや、受注した側じゃなく発注側に問題があるのかもしれない。
どういう経緯でこのオンライン申請システムができあがったのか、
自分はよく知らないけれども、
とにかく史上最悪最低のシステムである。
(実際に自分でやってみると分かります)
先にやるべきことをリストアップ。
(1)政府共用認証局自己署名証明書を登録
(2)Java実行環境のインストール
(3)オンライン申請システムのクライアントソフトをインストール
(4)登記申請書作成支援ソフトウェアのインストール
(5)システムへのユーザー登録
以下では準備作業のポイントをかいつまんで見ていく。
詳しくは法務省のサイトで。
http://shinsei.moj.go.jp/usage/usage_top.html
http://shinsei.moj.go.jp/usage/zyunbi.html
オレオレ証明書と毒入りJREをインストール
まずは政府共用認証局自己署名証明書。
長い名前だ。
通常はSSLによる通信では、
相手先を認証するための証明書を、
自動的に取得できるシステムになっている。
だが、どういう理由でだか自分では理解できないのだが、
日本政府は独自の証明書を使っていて、
その証明書を手動でインストールしなければならない。
この問題については産業技術総合研究所の高木浩光さんが、
いろいろ詳しく論じているのでそちらを参照してください。
http://securit.gtrc.aist.go.jp/research/paper/css2002-takagi-dist.pdf
要約すれば、
「安全な通信を行なうため」という名目で、
セキュリティ上で大きなリスクをかかえた操作、
しかも一般のユーザーにとっては非常に煩雑な操作が必要になる。
ここを改善するだけでも、
電子申請はぐんと身近な存在になるに違いない。
まずは以下のURLから自己署名証明をダウンロードする。
https://www.gpki.go.jp/apca/APCAroot.der
ダウンロードしたファイルをダブルクリック。
「詳細」タブの中にある「拇印」の数値が、
以下のURLのなかにある数値と一致するかを確認する。
https://www.gpki.go.jp/selfcert/finger_print.html
偽物の証明書を間違ってインストールしないためのチェック作業。
こんな作業までユーザーにさせるのか…

「全般」タブの中にある「証明書のインストール」ボタンをクリック。
「証明書のインポートウィザード」という画面が出てくる。
あとは「次へ」をクリックしていけば大丈夫。
次にJava実行環境(JRE)をインストールするのだが、
法務省のオンライン申請システムでは特定バージョンのJREしか使えない。
リビジョンが違うだけでも動かない。
しかも、他のバージョンが入っているだけで誤動作することがある。
自分が申請したときはバージョン1.4.2_17を使うように指示された。
これ以外のバージョンが入っているときは、
まずそのバージョンを削除してから指定バージョンをインストールする。
だが、1.4.2系というのは古いバージョンであり、
指定された1.4.2_17というのはセキュリティホール入りである。
最新版を削除して古いバグ入り版を入れろということだ。
なお、JREは前の「インターネットで会社を作る(6)」でインストール済みのはず。
ここで改めて入れ直す必要はない。
さらにソフトをいろいろインストール
次に以下の3つのソフトをダウンロードして実行。
(1)オンライン申請のクライアント。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすればインストールが始まる。https://shinsei2.moj.go.jp/download/installer.exe
(2)JREのキーストアに自己署名証明書を登録するバッチファイル。https://shinsei2.moj.go.jp/download/bat/setca.exe
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると、
「setca」というフォルダができる。
その中に先ほどダウンロードした自己署名署名書(APCAroot.der)をコピー。
「setca_1.4.2_17.bat」をダブルクリックして実行する。
JREのバージョンが違うとここでエラーが出て先に進めない。
(3)登記申請書作成支援ソフトウェア
http://shinsei.moj.go.jp/usage/zyunbi_shougyou.html
上のページからファイルをダウンロードして実行する。
システムにユーザー登録する
法務省のオンライン申請システムのサイトにアクセス。
http://shinsei.moj.go.jp/
トップページの「申請する」をクリック。
次のページで「ユーザ登録」をクリック。
申請者IDやパスワードを入手する。
ちなみにシステムが開いているのは、
平日の昼間のみ。
月曜日から金曜日の8時30分から20時まで。
それ以外はアクセスしても以下のような画面が表示されるだけ。
まあ、20時までやっているだけよしとしよう。
午後5時に閉めるよりはマシだよね。
ちなみに経済産業省とか財務省のシステムは、
24時間365日使えるらしいです。
すべての官庁がこういうシステムだというわけではありません。
なんか長くなったので、
今日はここまで。
システムを使って定款認証を受けるのは次回に…
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