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インターネットで会社を作る(6) ~定款のPDFファイルに電子署名する。電子署名ってどうやるんだ?

《2008年8月 3日》 《カテゴリー:会社設立

コンピュータのファイルというのは皆さんもご存じの通り、
書き換えても痕跡が残らない。
また、筆跡鑑定なんかもできないので、
誰が作ったのか特定するのも難しい。
第三者が勝手に自分の名前を使って作った文書かもしれない。

ということで、
電子署名とは、
「誰が作成したかを明らかにする」
「オリジナルから改変されていないことを保証する」
という2つの目的を達成するために行なわれるものだ。

実際にどうやっているかは、
こちらのページの解説などを見ると分かりやすい。
http://www.jipdec.or.jp/esac/about/shikumi.html
暗号技術を使うわけですね。
文書を電子証明書の鍵で暗号化したものを文書に添付。
その内容を見れば「誰が作って」「改変されていないかどうか」が分かる。

確かに自分も仕組みの知識はあったけれど、
実際に電子署名なんてした経験はない。
だいたい電子証明書なんて持ってないし…
ここが電子定款でやるときの最初の難関だ。

電子署名に必要な道具をそろえる

電子署名のために必要なものは次の4つ。

  1. 電子証明書。個人の場合、「公的個人認証サービス」の証明書を利用する。手数料は500円。
  2. ICカードリーダー。電子証明書はICカードのチップに記録されている。それをパソコンで読むためのリーダー。3000円くらい。
  3. PDF作成ソフト。フリーのソフトはダメ。「Adobe Acrobat」のStandardかProfessionalが必要になる。本記事作成時ではバージョン5~8を使う。
  4. PDF署名プラグイン。これは法務省のサイトで配布している。Adobe Acrobatに組み込んで使う。

いちばんのネックはAdobe Acrobatが必要なところ。
普通に買うと3万円はくだらない。
おすすめは「ScanSnap S510」というドキュメントスキャナを買うこと。
実売価格は4万5000円くらいになると思うが、
Adobe AcrobatのStandardが付いてくる。
また、ドキュメントスキャナは今後の書類整理にも活用できる。
Adobe Acrobatが3万円だとしたら、
ドキュメントスキャナが1万5000円で買える計算だ。

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電子証明書は地元の市区町村役場に行って、
住民基本台帳カードを発行してもらう。
うちの自治体では、
申請用紙の中に「公的個人認証サービス」というチェック項目があった。
そこにチェックを入れると、
住民基本台帳カードのICチップに電子証明書を書き込んでくれた。
費用は500円(住民基本台帳カード)+500円(電子証明書)。
ちなみに住基カードは写真入りと写真なしがあるが、
どっちでもいい。

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住基カードができあがると、
担当者の人が端末のところまで連れて行ってくれる。
そして、住基カードをそこにセットして、
パスワードを設定することになる。
住基カードと電子証明書と2つのパスワードを設定するので、
2つともわすれないように注意!

電子証明書をゲットし、その足でICカードリーダーを買いに行った。
ICカードリーダーは「e-tax対応」とうたっているものならOK。
自分が買ったのは日立のカードリーダー。
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/app/ic/
3200円くらい。

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いろいろソフトをインストール

そうだ、大事な作業を忘れていた。
ICカードリーダーを買ってきたら、
パソコンにつないでドライバをインストールしておく。

また、公的個人認証サービスのクライアントソフトをインストールするのだが、
その前にJavaの実行環境(JRE)をインストールしておく必要がある。
JREにもいろんなバージョンがあるが、
後で紹介する法務省のオンライン申請システムは特定バージョンでしか動かず、
次のページからダウンロードしたファイルでインストールする。
もし別のバージョンが入っていたら安全のために削除しておいた方がいい。
バカな仕様だが仕方ない。
http://shinsei.moj.go.jp/usage/zyunbi_JRE.html

JREが入ったら、クライアントソフト。
住基カードといっしょにCDをもらえるはず。
そのCDからクライアントソフトを組み込めばいい。
インターネットからダウンロードすることも可能だ。
http://www.jpki.go.jp/client/index.html

クライアントソフトが入ったら、
スタートメニューから「すべてのプログラム」→「公的個人認証サービス」→「ユーティリティ」とクリック、
この中の「ICカードリーダライタ設定」「Java実行環境への対応」の2つを実行。
この設定を忘れるとクライアントソフトが正常に動かない。

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まだインストールすべきものがあった。
Adobe AcrobatのPDF署名プラグインだ。
このサイトからダウンロードして入れる。
http://shinsei.moj.go.jp/usage/zyunbi_PDF.html

ネットで調べていると、
電子署名には市販のプラグインが必要、
と書かれた情報を見かけるが、
法務省が無料で配っているプラグインを使えるので、
プラグインを買わなくてもいい。
署名する機能だけで、署名を検証する機能はないが、
今回の電子定款やオンライン申請にはこのプラグインで十分。

ぐだぐだになってきたので要約すると、
(1)法務省指定バージョンのJREをインストール
(2)公的個人認証サービスのクライアントソフトをインストール
(3)ユーティリティで設定作業を行なう
(4)PDF署名プラグインをインストール
(Adobe Acrobatは当然先にインストールしておく)
とりあえずこれだけあれば電子署名付きPDFファイルを作れる。

いよいよ定款に電子署名する

定款に電子署名をするわけだが、
その前に地元の公証役場に電話して、
あらかじめ電子定款の認証の依頼をしておこう。
そして、FAXで定款案を送って、先にチェックしてもらう。
http://www.koshonin.gr.jp/sho.html

自分の場合、
7月3日(木)の夕方に電話をして電子定款認証の依頼をして、
すぐにFAXで定款の案を送信。
その翌日の午前中に修正点を記したFAXが送られてきた。
すぐにワープロで修正を加え、
念のために公証役場に電話をかけて、
修正点をひとつずつ確認していく。
「または」を「又は」にするとか、
「AやB」を「A及びB」にするとか、
そんな細かいところばかり。

最後にもう一度印刷して間違いがないかを見直したら、
印刷メニューからPDFファイルを作成する。

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できあがったPDFファイルをAdobe Acrobatで開く。
メニューから「文書」→「電子署名」→「この文書に署名」と選択。
ここから先は「Adobe Acrobat Standard」のバージョン7の例。
バージョンが違うとメニューの名前が違ったりするかもしれない。

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「文書は証明されていません」と、
訳の分からないメッセージが表示されたら、
「署名を続行」をクリック。

次に「この文書には署名可能な署名フィールドがありません」と出たら、
「新規署名フィールドを作成」を選択。

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マウスポインタが「+」に変わったら、
最終ページのハンコを押すべき位置をドラッグして選択。
ここにハンコのイメージ画像が表示される。
別に電子署名でイメージ画像なんていらないのだが、
こういうのがあった方が「署名したんだなあ」という気分になれる。

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次に電子署名の方法を選択する画面が現れる。
ここでは「SignedPDF」を選ぶ。
これが先ほどインストールしたPDF署名プラグインだ。

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「電子署名を行ないます」と表示されたら、
ICカードリーダーに住基カードをセットして、
「はい」をクリック。 
署名者情報入力画面が開くので、
名前やパスワードなどを入力。
パスワードは住基カードを作成するときに指定した電子証明書のものだ。

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「OK」をクリックすると、
住基カードの電子証明書を使って電子署名が始まる。
「パスワードを確認しています」のまま30秒以上画面が変わらないが、
けっこう時間がかかるので、
ドキドキしながら終わるのを待つ。
ちなみにパスワードが違うときはすぐに「違う」と怒られ、
最初からやり直しになってしまう。

パスワードのチェックが終わると「名前を付けて保存」の画面が現れる。
別の名前に変えて保存してもいいし、もとのファイルに上書きしてもいい。
保存ボタンをクリックすれば電子署名付きのPDFファイルが作成される。
その後、「この製品では、検証はできません」と警告が表示される。
これは別に間違ったことをやっているわけではなく、
法務省が配っているプラグインに署名の検証機能がないだけ。
電子署名自体は正常に行なわれているはず。
(検証機能がなくて自分では確かめられないので信じるしかない)

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これが電子署名が終わった状態のファイル。
ドラッグして指定したところに「印」のマークが追加された。
「?」が上に乗っかっているのは、
検証機能がないので正当性を確認できないという意味。
なんか気持ち悪い。
「?」を外したいなら市販の署名プラグインを買ってください。

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発起人が複数のときは、
このファイルに対してさらに電子署名の作業を繰り返す。
ひとつの文書に何人もの電子署名を追加できる。
要するに発起人が複数いるときは、
みんなそれぞれ住基カードを作って電子証明書を発行してもらう。

株式会社アルジェントの発起人は2人なので、
電子署名後のイメージはこんなかんじになる。
なお、2人目以降は電子署名が終わると自動的にファイル保存される。
あらためて保存操作を行なう必要はない。

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ここまで読んでいただき、
お疲れ様でした。
最初の山場を超えましたが、
これから山はいくつも出てきます。

次はオンライン申請システムを使って、
定款の認証を受ける手続き。
これは次回に…

投稿者 yasu : 2008年8月 3日 03:24

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