インターネットで会社を作る(3) ~電子定款とオンライン申請システムとは
《2008年8月 2日》 《カテゴリー:会社設立》
会社を作る動機のひとつに、
「電子定款」と「法務省オンライン申請システム」を、
実際に使ってみたかったことがある。
会社の作り方をおおざっぱに言えば、
(1)「定款」を作って公証人の認証を受ける
(2)法務局に商業登記の申請を行なう
の2ステップになる。
具体的な手続きを紹介する前に、
まずは会社作りのポイントと電子化するメリットについて見ておきたい。
電子定款を選ぶメリットとは
定款というのは会社の憲法みたいなもので、
会社の名称や目的はもちろんのこと、
株式の発行方法、株主総会の開催方法などを定めたもの。
たとえば定款には株式を勝手に売り買いできないように定められる。
知らぬ間に株が人手にわたって丸裸にされるなんてことを防げるのだ。
この定款を最初に作るのだが、
勝手に改変できないように公証人のチェックを受け、
原本が公証役場の金庫に保存される。
通常は紙に印刷したものを3部作り、
1部は会社に保存、1部は公証役場に保存、1部は法務局に提出する。
電子定款とは、
通常は紙で保存する定款を電子データとして作成・保存するものだ。
定款のファイルは会社の発起人と公証人の電子署名をほどこした上で、
公証役場のコンピュータに保存されることになる。
電子定款を選ぶメリットは、
(1)紙だと製本したり、たくさんのハンコを付いたり、物理的に大変
(2)紙だと4万円の収入印紙を貼らないとダメだが、電子認証なら不要
の2つだろう。
特に後者の「4万円安く会社ができる」というメリットが大きく、
最近は電子定款を選択する人が増えていると聞く。
ただし、電子定款には発起人の電子署名が必要になる。
かつてはここがネックになって一般人は電子定款を選択できなかったが、
地方自治体による「公的個人認証サービス」によって、
安価に電子証明書を取得できるようになり、
個人でも電子定款を選びやすくなった。
そうは言っても、
これまでファイルに「電子署名」をした経験がある人はいらっしゃいますか?
自分も今回が初めての経験です。
「本当にこのやり方で正しいんだろうか?」と、
最後までドキドキしながら操作したことを覚えています。
法務局へのオンライン申請はあまり普及していない
定款を作って認証を受けたら、
もう会社作りは半分以上終わったようなもの。
次は法務局に商業登記の申請書を出す。
登記と言えば不動産登記の方が一般人にはなじみが深い。
法務局にいけば土地や建物の所有者や権利関係を記した登記簿を、
誰でも見ることができる。
商業登記は会社の概要を登録しておくもので、
やはり法務局に備え付けの登記簿には、
会社の名称や目的、役員の名前などが記載されている。
やはり申請すれば誰でも登記簿を見られる。
だから、会社で取り引きするときは登記簿謄本の提示が求められたりする。
会社の戸籍か住民票だと考えればいいんでしょうか。
申請書を提出した日が会社の設立日となるのだが、
実際は登記が完了したところで対外的に会社のスタートとなるだろう。
さて、通常は法務局に紙の申請書を提出するのだが、
2003年3月に「オンライン申請システム」がスタートした。
専用の申請ソフトをコンピュータにインストールし、
申請に必要な項目を入力する。
そして、ネットにつないで法務省のサーバーに送信。
後は審査の結果がネットで通知される。
ただ、地元の法務局がオンラインに未対応だと使えないはず。
(まだ未対応の法務局がどれくらいあるか分かりませんが…)
電子定款は「4万円安くなる」というメリットがあったが、
オンライン申請の割り引きは「5,000円」にとどまる。
しかも完全にオンラインで完結するわけではなく、
印鑑登録など一部の書類は紙で提出する必要がある。
今ひとつメリットが見えてこないので、
電子定款を選んでも法務局への申請は紙という人が多いようだ。
そういう事情でネットにもオンライン申請の情報はあまりない。
しかし、オンライン申請の方がスムーズだというメリットはある。
審査の結果はネットで通知され、
補正(申請書の不備を訂正すること)があるときは、
すぐにその内容が通知され、
即座に補正の手続きができる。
紙でやるなら法務局を何度も往復する必要がある。
(運が悪いとオンラインでも何度も往復を強いられる)
基本をおさえたところで、
次回は電子定款の作成と認証の方法を見ていく。
投稿者 yasu : 2008年8月 2日 05:49
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