Vistaのアップグレード版でクリーンインストール(新規インストール)をする方法。実際にパッケージを購入して確認しました
《2007年02月03日》 《カテゴリー:Windows Vista》
「Windows Vistaのアップグレード版はクリーンインストールができない」
こういう誤解が広がっていると先日の記事で取り上げましたが、その中で重大な事実誤認があったので訂正させていただきます。
申し訳ありません。
http://www.center-left.com/blog/archives/2007/02/vistaxp_2.html
まず「クリーンインストール(新規インストール)」という言葉の使われ方にゆれがあります。
- 以前の環境を引き継ぐことなくVistaを新たにインストールする
- まっさらなHDDに(もしくは既存のHDDをフォーマットしてから)Vistaをインストールする
マイクロソフトのウェブサイトでは前者の「1」をクリーンインストールと呼んでいますが、実際は「2」 の意味で使うユーザーが多いようです。アップグレード版のVistaでも「1」の方法ではクリーンインストールできますが、「2」 の方法ではできないとされていました。しかし、ある裏技を使うと「2」 の方法でまっさらなHDDにもインストールできてしまうことが発見されました。その裏技を紹介しているのがこちらのページです (ネタ元はこちらのページ)。
しかし、自分が問題だと思ったのは、「1」のクリーンインストールもできないという誤解が広がっているところです。 アップグレード版は以前の環境(WindowsXPの環境)を引き継ぐ「アップグレードインストール」 しかできないと考えている方が多いようです。それは間違った認識なので正されなければなりません。
「アップグレード版」とはWindows 2000/XPのライセンスからWindows Vistaのライセンスへとアップグレードするものです。あくまでライセンスの問題であって、インストール方法を指すわけではありません。 両者がごっちゃになっているわけです。
まとめると「クリーンインストール」に2つの用法があり、「アップグレード」についてはライセンスとインストール方法の混同がある。 このため、「何ができて何ができないのか」が分からなくなっているように見えます。
アップグレード版でDVD起動でインストールできない
今回、実際にアップグレード版を購入して、「1」の意味でのクリーンインストールができるかを確認してみました。
その前にひとつアップグレード版の制限を理解しておかなければなりません。 アップグレード版はDVDから起動してインストールすることができません。 Vistaのインストーラは常にWindows上で起動する必要があります。
XPではアップグレード版であってもCDから起動してインストールできました。製品版/DSP版との違いは、 インストールの初期段階でHDD上に以前のバージョン(Windows2000など)のシステムがあるかを確認するところでした (HDD上にシステムがないときはWindows2000などのCDを挿入するように求められます)。
しかし、Vistaのアップグレード版は、インストーラがWindows上で実行されているかどうかで、 アップグレード対象のシステムであるかどうかを認識しているようです。なお、 実行されているWindowsはアクティベーションが完了していなくても大丈夫です(ここが後で重要になるポイントです)。
一方、Vistaアップグレード版のDVDから起動してインストールすると、プロダクトキーを入力したところで 「Windows上でインストールしてください」とメッセージを出してストップしてしまいます。 これはHDD上にXPのシステムがあってもなくても同様です。
ここが前回の記事で自分が誤解していたところです。 Vistaでも2000/XPと同様にDVD起動でインストールできると思いこんでいました。誠に申し訳ありません。
Windows上でインストーラを起動してクリーンインストール
Vistaアップグレード版は、Windowsを起動した状態でDVDをセットしてインストールを開始します。最初の方のステップで 「インストールの種類」を選択する画面が現れますが、ここで「カスタム」を選ぶと「1」の意味でのクリーンインストールが可能です。 HDD上にCドライブしか存在しなくても、XPの環境を引き継ぐことなく、またフォーマットをすることなくインストールできます。その場合、 従来のXPのシステムファイルは「Windows.old」というフォルダへ移動されるため、 Vistaのインストール完了後に不要であれば削除します。
また、HDDが2つ以上の領域に分かれている場合(もしくは2台のHDDを搭載している場合)は、 インストール先としてXPと別の領域を選択することでクリーンインストールが可能です。この場合、 XPとVistaのデュアルブートが可能になります(ライセンス上は問題が生じるおそれがありますが)。
つまり、HDDの構成がどのようになっていても、XPを引き継ぐことなく、 製品版/DSP版と同じようにクリーンインストールが可能です。ただし、Windows上からインストーラを起動したときは、 途中で領域の構成を変更できません。既存の領域をフォーマットしたり、削除してから領域を作り直すことができません。 ここがアップグレード版によるクリーンインストールの制限であると言えます。
アップグレード版DVDから起動してクリーンインストール
こちらの記事で取り上げられていた裏技についても、 確かにその通りであることを確認しました。アップグレード版でもDVD起動でまっさらなHDDにクリーンインストールが可能です。 HDD上にXPシステムは必要ありません。手順の概要は以下の通りです。
- DVDから起動してインストーラを起動。プロダクトキーは入力しないでインストールを進める。
- プロダクトキーを入力しないときは、インストーラがアップグレード版のライセンスであることを認識できず、 先のステップに進める。
- 製品版/DSP版と同じようにクリーンインストール(ここでは「2」の意味)が完了する。
- Vistaのデスクトップが現れたら、DVDドライブの中にある「Setup」をダブルクリックしてインストールを開始する。 つまり、Windows上でインストーラを起動する。
- 今度はアップグレード版のプロダクトキーを入力する。 Windows上でインストーラを実行しているのでアップグレード版のキーでも通る。
- インストール先には現在のドライブを選択。そこから先は画面の指示に従ってインストールを進める。
- 2回目のインストールが完了したらアクティベーション。また、Cドライブに作成された「Windows.old」 フォルダは不要なので削除する。
なぜこうなるかというと、アップグレード版の対象OSとして、Windows2000、Windows XPに加え、Windows Vistaも含まれているからです。しかも、実行中のシステムはアクティベーションされていなくてもかまいません。
ここは非常に重要なポイントで、2000やXPのライセンスを持っていないユーザーであっても、 上記の手順でアップグレード版のVistaをインストールできてしまうわけです。
ただし、HDDをまっさらにしてからクリーンインストールしようというユーザーは、わざわざアップグレード版を買うことはなく、 安価なDSP版を購入するはずです。話としてはおもしろいですが、 実際にこの手順でクリーンインストールできることのメリットはないでしょう。
投稿者 yasu : 2007年02月03日 18:21
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.center-left.com/cgi-bin/Mt-3/mt-tb.cgi/1450
コメント
この記事を読む限りでは
>アップグレード版DVDから起動してクリーンインストール
にはライセンス上の問題はない様に感じられたのですが
もし問題ないとすれば
>Windows上でインストーラを起動してクリーンインストール
>また、HDDが2つ以上の領域に分かれている場合
>(もしくは2台のHDDを搭載している場合)は、
>インストール先としてXPと別の領域を選択することで
>クリーンインストールが可能です。この場合、
>XPとVistaのデュアルブートが可能になります
>(ライセンス上は問題が生じるおそれがありますが)。
とありますがHDD×2、1つ目のHDDにXPがある環境で
>アップグレード版DVDから起動してクリーンインストール
の方法を行ってXPとVistaのデュアルブート環境を作ったら
ライセンス上の問題はどうなるのでしょうか?
投稿者 hal : 2007年02月04日 00:36
アップグレード版Vistaをインストールした時点で、
それ以前の2000/XPのライセンスは失効する、
というのがマイクロソフトの立場です。
公式の場でもそういう内容の発言があります。
以下のページです。
http://www.watch.impress.co.jp/Akiba/hotline/20070113/etc_dvsp.html
しかし、ライセンスの問題があるだけで、
両方ともデュアルブートで使えてしまう、というのが実際のところです。
将来的にもデュアルブートのXP側が使えなくなるなんて自体はないと思います。
ライセンスに忠実に従うのであれば、
デュアルブートになってしまった後、
既存の2000/XPは手動で削除しなければなりません。
しかし、Vistaに互換性がない大量のアプリ・ドライバがある現状では、
デュアルブート環境を作らざるを得ないのも事実であり、
マイクロソフトもそこまで厳密にライセンス遵守を求めることはないと思います。
そんなことしたら非難ごうごうになること間違いなしなので。
ちなみにクリーンインストールの裏技において、
アクティベーションしていない状態でもアップグレード版をインストールできてしまうことからも分かるように、
XPとVistaのプロダクトキーが関連付けられる仕組みにはなっていないようです。
ということは、アップデートによってXP&Vistaのデュアルブート環境を無効できる可能性はありません。
投稿者 yasu : 2007年02月04日 06:31
↑
最後の一文、分かりにくいですね。
将来的にMSが対策をとろうとしても、XP&Vistaのデュアルブートを無効にする技術的な方法はないということです。
Windows Updateを実行したところ、「あなたのXPライセンスは無効です」なんてことにはならないということです。
ただ、現時点での話であり、
ServicePackなどでVistaの板を切り替えるときに、
インストーラの仕様を変えるかもしれません。
自分が仮にMSのプロダクトマネージャならそうします。
投稿者 yasu : 2007年02月04日 06:36
>ただし、HDDをまっさらにしてからクリーンイン>ストールしようというユーザーは、わざわざア>ップグレード版を買うことはなく、安価なDSP>版を購入するはずです。話としてはおもしろい>ですが、実際にこの手順でクリーンインストー>ルできることのメリットはないでしょう。
とありますが、64bit版も視野に入れてる人は
メリットあるんじゃないでしょうか。
Ultimateのアップグレード版を買えば32bitと64bitの両方手に入りますからね。
投稿者 kun : 2007年02月05日 18:58
なるほど。
確かにそうですよね。
いったん32ビットでアクティベーションしたら、
もう64ビットはダメなのかと思っていましたが、
自由に行き来が可能みたいです。
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0611/17/news005.html
その他のエディションでも1,050円で64ビット版のDVDを入手できるので、
両方の権利があると考えればアップグレード版もいいですね。
投稿者 yasu : 2007年02月06日 06:08
1つお聞きしますが
どのパッケージでもUSBメモリーをPCメモリー
として使えますか?
投稿者 ni : 2007年02月07日 20:45
どれでもReadyBoostは使えますよ。
ただし、ReadyBoostはUSBメモリをキャッシュに使うもので、メインメモリの容量を増やせるわけではありません。あまり過剰な期待はしない方が幸せです。
投稿者 yasu : 2007年02月09日 06:33
初心者ですみません。
質問(確認?)なのですが
Windows Vista Home Premium 日本語版 (UPG)でのデュアルブートは
ライセンス上問題はあるが可能というこですか?
投稿者 tokkun1623 : 2007年03月24日 03:40