PCのHDDは大容量化が進み、数百GBなんて大きなサイズになっています。これだけ多くのデータを保存できるのはHDDだけです。バックアップ先にフロッピーディスクを使うなんて10年前の発想です。CD-RやDVD-Rも容量不足であり、データのサイズが大きいときは何枚にも分ける必要が出てきます。また、書き込みの速度が遅いために、毎日のバックアップが負担になることでしょう。PCに2台目のHDDをつなぎ、そこにバックアップをとるのが唯一現実的な選択です。
HDDを使う利点は次の2つです。
内蔵HDDが2つの領域(CドライブとDドライブ)に分かれているとき、1つ目の領域のデータを2つ目の領域にバックアップするという方法があります。つまり、Cドライブの内容をDドライブにバックアップするわけです。Cドライブの内容が破損しても、Dドライブから復元することが可能です。しかし、この方法ではHDD自体の障害に対応できません。PC内蔵のHDDとは別のHDDを用意すべきです。
バックアップ専用のHDDを追加する利点は次の2つです。
バックアップ用のHDDはどんなタイプでもかまいません。十分な容量があれば、内蔵でも外付けでもかまいません。何を選べばよく分からないなら、USBでつながる外付けHDDを選んでおけばいいでしょう。100GB以上のHDDでも1万円台から購入できます。オフィスで何台ものマシンがあるときは、LAN接続のHDD(NAS)を使うとそれぞれのマシンにHDDを用意する必要がありません。
バックアップ媒体としてDVDが力を発揮する場面もあります。長期保存が必要なデータは、書き換えができないCD-RやDVD-Rに書き込んでおくのが確実です。
バックアップ先としてのDVD-Rには次のようなメリットがあります。
ただし、DVD-Rの容量は1枚4.7GB(Windowsから見たときの容量は4.37GB)しかなく、それ以上のデータをバックアップするには複数枚に分けるしかありません。ディスク交換の手間がかかるのが難点です。また、DVD-Rは保管状態が悪いとデータを読み出せなくなることがあります。直射日光に当てたり、記録面に傷を付けたりしてはいけません。書き込んだ後はケースに入れて、暗くて涼しい場所に保管します。
バックアップすべきデータの量が少ないときは、HDDとDVDを併用することで安全性を高められます。HDDにはつねに最新のデータをバックアップし、DVDでは世代管理を行うといいでしょう。特に重要なデータを扱うときは複数のバックアップ方式を併用すべきです。
世代管理が必要ないならば、DVD-RAMのような書き換えが可能なタイプ(リライタブル)をつかえます。リライタブルなDVDには、ほかにもDVD-RWやDVD+RWがありますが、DVD-RAMには次のようなメリットがあります。
光ファイバのような高速なインターネット接続が普及すれば、「オンラインストレージ」をバックアップ先に使うことも増えてくるはずです。オンラインストレージとは、インターネット上のサーバーのディスクスペースを借り、そこに自分のデータを保存できるサービスのことです。通常は大容量のデータを送信するときや、離れた場所にある複数のパソコンでデータを共有するときに使われますが、もちろんバックアップに活用することもできます。
現在は利用料金が比較的高いため、個人で利用する場合はバックアップするデータを絞り込む必要があります。しかし、将来的に料金が下がってくると、HDD全体をバックアップすることが可能になるかもしれません。ファイルサーバーを自分で設置してそこにバックアップするという方法もあるでしょうが、オンラインストレージはハードウェアのメンテナンスを自分で行う必要がありません。専門家にメンテナンスをまかせられるため、安心して使えるのがメリットです。
個人の場合は複数のパソコンを用意して、2台目のパソコンをバックアップ先に使うという方法も有効です。メインマシンのほかにもう一台のパソコンを用意します。古くなって普段は使っていないパソコンでも、持ち運び用のノートパソコンでもかまいません。そこにメインマシンと同じソフトをインストールしておき、定期的にメインマシンのデータをコピーします。
もしメインマシンが壊れてもサブのパソコンですぐに作業を引き継ぐことができます。HDD以外のパーツが故障してメインマシンが使えなくなったときでも、仕事を継続できるのが最大のメリットです。バックアップといえばHDDの中身のことだと思われがちですが、それだけではハードウェアの故障に対処することができません。本当に重要な業務にパソコンを利用しているなら、ハードウェアのバックアップも用意しておくべきです。
2台目のマシンへのバックアップは、外付けHDDへのバックアップなど他の方法と併用することをおすすめします。2台目のパソコンの電源をずっと入れっぱなしにしておくことは現実的ではありません。外付けHDDにデータをリアルタイムでバックアップし、もしメインマシンが故障したときは外付けHDDをサブのマシンにつなぎかえる。こんな方法をとることになるでしょう。